【は】

博士山
[はかせやま]/【南会津・尾瀬】
大和朝廷による東征の際、兵隊が太刀を腰に佩いてこの山の峰伝いに歩いたため「佩かせ」山となり、いつしか、今の漢字が充てられるようになった。

羽黒山
[はぐろさん]/【朝日山地】
3本足の烏に由来。なお、羽黒山は修験道で知られ、三本足の烏は、神として祀られている。

八幡平
[はちまんたい]/【奥羽山脈北部】
坂上田村麻呂が東征の折に大猛丸という賊をこの山に追い込み、討ち果たし、この賊の霊を弔うと共に武運を祈るため八幡を奉じたという説と、八幡太郎義家がこの登ったことに由来するという説の二つがある。

八海山
[はっかいさん]/【越後山脈】
この山に8つの湖が点在していることに由来する。

八甲田山
[はっこうださん]/【奥羽山脈北部】
八つの亀の甲のような山があり、その山中に田代のような湿地が点在するから、という説、八つの山上各所に「神の田」(湿地)があり、八神田と言ったのを、八甲田とした説などがある。

八紘嶺
[はっこうれい]/【身延山地】
八紘とは天下を意味する。戦時中、八紘一宇をスローガンに、国民の一致団結を促したことがあったが、この山の名もそれに因んで付けられた。

破風山
[はふさん]/【関東山地】
遠くから見ると屋根の破風に似ているため。

早池峰
[はやちね]/【北上山地】
山頂に霊池があり、お経をあげると忽ち水が湧くので早池峰の名が付いた。

針ノ木岳
[はりのきだけ]/【飛騨山脈北部】
ハリとは墾を意味し、この山の麓で開墾が行われたことから付けられた。木は開墾のシンボルとして木を植えたことによる。また、W.ウェストンによれば榛の木が生えている山という意味であるという。


立山雄山付近より針ノ木岳(右)(5月中旬)

磐梯山
[ばんだいさん]/【奥羽山脈南部】
古名、石椅(イワハシ)山と言われていた。ハシは元来舟を意味し、フネは容器を示した。ハシケ(艀)やユブネ(湯船)と言う言葉がそれを証明している。この舟を表すハシが、陸と陸とを結ぶものと言う意味に捉えられ、ハシ=橋に転じ、更に縦を結ぶものとして、ハシタテ→ハシゴと言うところまで転じた。石椅山は即ち、「岩のハシゴ」の山と言う意味で、山容が突兀としているために命名されたものである。時代を経て、石が磐となり、椅が梯と言う漢字が使われるようになって磐梯山となった。


吾妻山より磐梯山(10月中旬)

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