【ひ】

燧ケ岳
[ひうちがたけ]/【南会津・尾瀬】
火打ち石が産出されたから、山腹に火打ち鋏の形をした残雪が出るからなどの説があるが、後者の説が有力。七入の辺りから見ると山頂付近の北東面に火打ち鋏の形の雪渓が出ると言う。



尾瀬沼湖畔より燧ケ岳(5月下旬)


火打山
[ひうちやま]/【妙高山とその周辺】
火打ち石が産出されたことによる。また、有名な火山であることも、山名の由来になったのか。

英彦山
[ひこさん]/【筑紫山地】
天照大神の子、天忍穂耳尊を祀った山であることから、日(天照大神)の子の山で日子山となった。それが、嵯峨天皇の代に彦山に改められ、更に、江戸時代、霊元上皇の代に尊称として「英」が付されたと言う。

聖岳
[ひじりだけ]/【赤石山脈南部】
ヒジリ沢の源頭の山であることから名付けられた。ヒジリ沢はくねくねと曲がりくねっているため「肘折る」→「ヒジル」と言う訛から生じたもの。宗教的な意味合いは全くない。

姫神山
[ひめかみやま]/【北上山地】
男性的な山容の岩手山に対して、女性的な山容であると言うことから命名された。岩手山と夫婦であると神話の世界では考えられている。岩手山と姫神山の間に早池峰山が絡み三角関係になっていると言う。早池峰は話によっては男性になったり、女性になったりする。

氷ノ山
[ひょうのせん]/【中国山地東部】
天照大神が朝日に輝くこの山を見て「日枝の山」と呼んだことから、転化したと言う説、弘法大師が、麓の村で米を搗いている住民を見て、食べ物を分けてくれるよう頼んだところ、米を惜しみ稗を寄越したので、弘法大師は怒ってこの山を越える際に撒きながら歩いたことから、稗の山になって、それが転じたという説がある。しかし、最も有力な説は、この山が中国地方第二の高峰であることから、毎年、遅くまで氷雪に覆われていることに由来するとしたものである。菅ノ山、須賀ノ山の古名もあるが、これは氷雪を意味するスガに由来する。このことからもこの説が最も有力であることが解る。また、正式には、須賀の山にすべきであると言う考え方もある。

平ヶ岳
[ひらがたけ/【南会津・尾瀬】
山頂が平だから。



会津朝日岳山頂より平ヶ岳(6月初旬)


蛭ヶ岳
[ひるがたけ]/【丹沢山地】
ヤマビルが多いからと言う説、毘盧遮那仏(びるしゃなぶつ、大日如来のこと。塔ノ岳に祀られている)から由来した説、猟師が使う山頭巾を昔からヒルと呼び、山の形がそれに似ているために名付けられたと言う説などがある。

蒜山
[ひるぜん]/【中国山地中部】
ノビルが生えていたため、湿地地名の一つであるヒルに由来するためなどの説がある。

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