【ふ】
武甲山
[ぶこうさん]/【関東山地】
日本武尊が東征の折、戦勝祈願に武具、甲冑を奉納したことに由来する。また、地元の人の呼び名「むこうやま」が転じたとの説もある。
富士山
[ふじさん]/【富士山とその周辺】
『竹取物語』で、かぐや姫から不老不死の薬を貰った帝は、「世のためにならぬ」とその薬を多くの兵に守らせて富士山の火口に捨てさせた。このことから、不死の山から富士山に転じたと言う説と、多くの武士を意味する富士山になったと言う説を昔聞いたことがあるが、当然これは共に誤りである。フジと言う呼び名は、『竹取物語』成立以前より存在しており、現に『万葉集』の幾つかの句にもフジは使われている。
で、本当は何なのかというと、それは解っていない。しかし、幾つかの説はある。一つは、アイヌ語の火を示す「フチ」、「フジ」に由来すると言う説。富士山は火山であるから、なるほどと思うのだけれども、同じアイヌ語でも「フチ」は白髪の老婆を意味していると言う説もある。これは雪を山頂に戴く様を表わしたものであるとするならば、やはり、なるほどと思う。この説は火の老婆を意味する「アベ・フチ」からきたもので、親しみの意があると言う。ちなみに、小暮理太郎は荒ぶる火山を親しみをこめて呼ぶのはおかしいとしている他、諸般の事情から、前者を「フジ」の語源であるとしている。そのほかに、馬来語で白を意味する「プティー」に由来すると言う説もあるが小暮は、富士山周辺にアイヌ人が住んでいたことを根拠にこの説を否定している。
藤沢市より(2月初旬)
船窪岳
[ふなくぼだけ]/【飛騨山脈北部】
山頂や山腹が船底のように窪んだ凹地があるということ。実際、この山にそれがあるかどうかは未確認。
舟鼻山
[ふなはなやま]/【南会津・尾瀬】
舟のように山頂が平らで、鼻のように山が切れ落ちているから。
武能岳
[ぶのうだけ]/【越後山脈】
ブナの木が生い茂る「ブナ生い」が転じたもの。
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