【か】

甲斐駒ケ岳
[かいこまがたけ]/【赤石山脈北部】
駒の神様を祀っていることから駒ケ岳となった。また、山の容を駒の頭に見立てたことに由来すると言う説もうろ覚えではあるが聞いたことがある。この二つの話を統合して、駒の頭の容に見立てたことにより、駒の神様がいると信じられ、駒ケ岳となった、と考えてみるのはどうだろう。



韮崎市辺りより甲斐駒ケ岳(4月中旬)


貝鳴山
[かいなりやま]/【南会津・尾瀬】
法螺貝が鳴り響いたことによる。関ケ原の合戦の折、西軍に付いたこの地の領主、上杉景勝が徳川の軍勢を会津におびき寄せ、勢力を分割させた。その時に、徳川の動向を知らせるためにこの山から法螺貝を鳴らしたという。

開聞岳
[かいもんだけ]/【九州南部】
古来「海門の山」として鹿児島湾に出入りする船舶の格好の目標とされていたことに由来する。

餓鬼岳
[がきだけ]/【飛騨山脈北部】
ガレ場などのガレが転じて餓鬼になった説、崖が転じて餓鬼となった説などがあるが、何れにせよ、この山の岩稜帯が名前の由来になったことは確からしい。

笠ヶ岳
[かさがたけ]/【飛騨山脈北部】
笠のような格好をしているから。ウェストンは、著書の中でumbrella peakと紹介している。



黒部五郎小屋付近より笠ヶ岳(8月上旬)


鹿島槍ヶ岳
[かしまやりがたけ]/【飛騨山脈北部】
鹿島にある槍のような山だからだと言う。ちなみに、三角点は鹿島入[かしまいり]である。山名に何らかの関係があるのだろうか。



栂池自然園より鹿島槍ヶ岳(左)


霞沢岳
[かすみさわだけ]/【飛騨山脈南部】
上高地から仰ぎ見たときに、谷間から霧が立つほど高い山にみえると言うことで命名された。

月山
[がっさん]/【朝日山地】
農業の神である月読尊が祀られていることによる。

神室山
[かむろさん]/【奥羽山脈中部】
神様の宿る岩窟の意。窟室大権現が鎮座するとされている。また、坂上田村麻呂が朝廷に抵抗していた悪路王をこの山の山頂に追い込み、これを鏑矢でしとめたことから、鏑山が転じて神室山になったと言う説もある。現に、鏑山という別名も現存していると言う。

家老岳
[かろうだけ]/【南会津・尾瀬】
俘囚の長として朝廷に抵抗し、前9年の役(1051-1062)で源頼義、義家父子に討伐された安部貞任の家老、善○保秀(○の部分は不明)の旧蹟があったことによる。なお、前9年の役の折、付近で源義家の軍隊との戦いがあったことも言い伝えられている。ところが、この山の遠からぬところに、もう一つ家老岳があるほか、神籠ヶ岳[かろうがたけ]、佳老山[かろうさん]があることから、より広範に認められる語源である地形語のカロー(山を背負う土地のこと)に由来するものであるとも考えられる。

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