雲上のうつろい
2004年8月初旬
白馬山荘付近より剣岳

MINOLTA DiMAGE F300/AUTO/-0.7

 
 この日は、午後に入らないうちから稜線上は雷に打たれていた。
 空は、不気味な明るさを保ちつつ、薄い雷雲を風に乗せ、
 山の旅人たちを不安な気持ちにさせていた。

 自分も、慌てて白馬山荘まで歩を運び、雷鳴に耳を奪われていた。

 「もう一発くるなー」

 山荘の人はそう言って、「今日は小屋に泊まるんだろ?」と言った。
 自分は、少し躊躇って「テント持ってきたんで…でも、天気が酷いようならお願いします」
 そう言って、山荘を後にした。

 雨に打たれながら設営をし、テントの中でまどろんでいると、
 外でガヤガヤと人の騒ぐ声がする。

 外に出てみると雲が切れて青空が覗いている…。
 小高いところに登ってみると、立山連峰が午後の陽に薄い影を浮かべていた…。