山頂稜線上には、遭難碑。
 1963年、愛知大学の学生が大量遭難した山である。
 13人の隊員全員が死亡したという北アルプス遭難史上屈指の最悪の事態は、
 この山の東南稜で起きた。
 今後、このような事故のないように祈る。

 

 下山途中に黒部五郎岳を遠くに望む。
 翌日、あの山の頂を越えて、黒部五郎小屋を目指す。

  

 薬師峠に帰ってきてもまだまだ昼。
 相当ヒマだったので、太郎平小屋まで行ってひと休憩。

 その後、だらだらと過ごし、早々に就寝。
 ところが、夜になって急に雨となり、その音で目が覚める。
 なかなか強い雨で、テントの下を川のように水が流れていく。

 目が覚めてしまったので、夜も明けぬ3時頃、さっさとテントを片付けて、出立。

 

 日の出は薬師岳から。
 山に掛かる雲は、丸で妖雲の如しで、
 刺す陽光は妖光のようである。
 これから明るい昼が訪れようとしているのか、
 ふと疑いたくなる。

 

 しかし、陽が昇ってしまえばなかなかの天気。
 青空の下、北ノ股岳の前方に広がる白山一華の大群落が見事。
 派手さはないが、清楚な美を持っている。