そして、遂に出た…。
 滑ったらどこまでも止まりそうにない。

 

 ここでピッケルの正しい使い方を教わる。
 山の怖さを良く知っている大先輩なので、色々と安心である。

 実際には、軽装備で登降している人が結構いたけれども、
 それはやはり良くないという。

 さてこの雪渓をひしこいて登ること幾ばくか…
 やがて雪渓が切れる。
 すべり草付を登ると左右に道が分かれている。

 左に行くと、丸山岳への縦走路、右へ行くと会津朝日岳である。
 丸山岳の縦走路は、今は残骸だけで、殆どの部分は自然に帰しているという。
 だから事実上道はない。

 その道を突っ切って、少し高いところに行くと…突如展望が開けた。