目覚めて、30日。
 夜も明けきらぬ頃、ピッケル片手に進行開始。
 山頂で日の出を見ようという野望があるのだ…。

 踏み跡のない新雪の暗い樹林帯を動物の足跡を追って進んでいく…
 あ…駄目じゃん。動物の後ついていったら…ケモノ道(爆)。

 確り迷いつつも、何とか、正規ルートで森林限界超え…。
 樹林帯を歩いている最中に樹幹越しに見えた朝焼けの富士山と
 まだ煌々と輝いている街の灯はとても印象的だったけれども、
 それ以上にここに来て目の当りにした北岳の圧倒的な迫力にしばし呆然。

 雪化粧をした魁偉な荒肌に天国的な美しさは全く見当たらない。
 ただただ厳かである…。

 残念ながら、あまりの風の強さにカメラを出す気力は…なかった。
 この突風を突いて、砂払岳を超え薬師小屋を過ぎると山頂は目前…。

 で…薬師岳着。

 

 日の出には…何とか間に合った。

 それにしても…風が強い。
 自分のほかに山頂には3名いたけれども、立っている人は誰もいない。
 カメラのシャッターを切るのも風で手がぶれてままならない。

 時折、突風に雪が舞い上がり視界を霞める。
 それでも強引にパシャパシャ。

 

 根性で撮影を続ける。
 手袋を外して1分と持たない世界なのでカメラ設定も思うようにならない。
 北岳の写真もピンボケ気味。なんも伝わらん…。

  

 あとから聞いた話では、 
 山頂で大型カメラを構えていた人は三脚ごと吹っ飛ばされそうなので、
 写真もろくろく撮らないで諦めて降りたそうだ。

 景色は良いんだけど…
 あ、飛行機雲…。

 

 寒い寒いといいつつ、観音岳へ…。