山頂からここまでの縦走路を振り返る。
 小蓮華、白馬、杓子…その山並みの前に、
 秋模様の草葉が穂を垂れていた。

 

 そして剱岳。
 なるほど、山岳風景として楽しむには、やや遠すぎる感がある。
 それでも、ここでの見ものはこの剱岳と言うことになろう。

   

 鹿島槍ヶ岳方面も見もの。
 ただ、剱岳を見るにも鹿島槍ヶ岳にも一等の展望台ではない。
 小暮理太郎の言うように、山が少し遠過ぎる。

 剱岳の展望は鹿島槍ヶ岳に及ばないし、
 鹿島槍ヶ岳の展望は五竜岳に及ばない。
 海が見えるというのは、
 それだけでは山岳展望的にはB級もいいところ。
 なので、そればかりを強調したくはない。

 やはり、山が見えてなんぼのもの…
 とは言いつつ、案外満足して山岳展望を楽しむ。
 屁理屈は言うけど単細胞なので…。