そして、翌日。朝食後に水ノ塔に向かう。
 今回はアイゼンだけではなく、スノーシューも装備。
 (スノーシューは宿で貸してくれる)。
 まずは、粉雪の舞う中、スノーシューで樹林帯を縫うように進んでいく。
 10分ほどでうぐいす見晴台を通過。
 いったん下って、再び上りはじめる。
 振り返ってみると新雪にスノーシューのあとがくっきりと浮かんでいる。
 今日はこれまでに登った人はいないようである。

 

 少し開けたところから、目指す水ノ塔を仰ぎ見る。
 もうだいぶ近づいてきているようだ。

 やがて樹林帯を抜け夏場が砂礫帯か、岩稜帯であると思われる場所に出る。
 上の方に山頂も顔をのぞかせている。

 

 雪が締まってきたので、スノーシューを外してアイゼンに替える。
 邪魔なのでスノーシューは岩陰に隠しておいて、
 いよいよ水ノ塔への最後の登りにかかる。

 スノーシューを持ってこれば良かった…
 と思った箇所もいくつかあったけれども、さほどの苦もなく、進むことが出来た。

 やがて分岐点にさしかかる。
 地図には分岐点はなかったので、
 不思議に思いながらも樹林帯に入っていく右方向のコースを選択。

 やがて、この道は、山の裏側を通って篭ノ登まで続く巻き道で、
 左側の道は山頂へ直接向かう、夏道であることに気がつく。

 そして、間もなく、山頂着。高峰温泉から約1時間。
 まだ、余力はあったけれども、今回はここまで。

 

 ここからの眺めはとても素晴らしい。
 隣の篭ノ登山、黒斑山の眺望もいいけれども、
 黒斑山同様、四阿山が特に目に付く。

 なだらかではあるけれどもどっしりとした山容は、北アルプスの薬師岳を思わせる。

 

 四阿山は小学校の時、林間学校で登ったけれども、
 今度は冬か春の積雪期に登ってみるとまた面白いかもしれない。

 と、ろくろく雪山の経験もないのに考えてみる。