やがて、陽が落ち、眠る。

 翌朝は、よく晴れていた。
 天空に星の瞬く頃、テントを撤収して、次の山へと向かう。

 振り返ると、
 昨日は、霧に隠れていることの多かった白馬岳が、
 薄明かりの中に、
 すくっと山頂を濃紺の空に突き立てているのが見えた。

 

 なんとか、杓子岳の山頂で朝陽を…。
 そう思い一心に歩を進める。
 しかし、砂礫の急登と朝焼けに染まる山並みが、
 時折、足枷となって、歩調を鈍らせる。

   

 息を切らせて登りきって・・・山頂。

 

 兎に角、目を惹くのは、お隣の鑓ヶ岳。
 朝陽に赤く染まる鑓ヶ岳の絶壁は迫力満点。

 その向こうに優美な双耳を突きたてた、鹿島槍も見える。

   

そして、日の出…ギリギリ間に合った…。