苔生した森で鹿にあう。
 ここには基本的に哺乳類は6種類しかいない。
 鹿は、猿と争わず過ごし、天敵と言えるような生き物は
殆ど見当たらない。

 人を見て、一応は警戒するが、それほど怖がっている風でもない。

 それしても、いい天気。
 大樹の梢の間から陽が差し込む。

 

 陽が葉を透かして森に降り注ぐ。

 「新緑って綺麗!!」

 と感動しているツーリストがいたが、ほんと、そんな心地よさがある。
 (もちろん、新緑と言えるような時期じゃないぞ)

 

 うねる杉の肌に昼の陽がまぶしい。

 …って、何か、シャッターの切れが異様にいいのに一抹の不安を覚える。
 あ、前回ISO400にセットしてそのまんまだ…あららららら…とほほ。

 設定を元に戻し、気も取り直して、道をパシャリ。
 杉をくぐるのが順路。

 

 更に森を進む。
 と、太古の森に鮮烈な瑠璃色が散った。
 オオルリ―